ニューポート・ジャズ・フェスティバル

アメリカの最初のジャズ･フェスティバルがニューポート･テニス･カジノにやってきたのは1954年の6月中頃であった。 半世紀もの間やってきたために、ほとんど必然なもののようになってしまった。今は賞賛に値するものの当時は賭け以外 のなにものでもなかった。 ボストンのナイト･クラブ･オーナー･ジョージ･ウエインとニューポート社交界のルイス･エライン･ロリラードは、 フェスティバルに沢山のジャズ･ミュージシャンと熱狂的な観衆とをアメリカ上流階級の夏の庭に一同に集めた。これは上流階級とジャズ界との衝撃的な社交界の誕生であった。 ただ単に成功に留まるだけでなく、ニューポート･ジャズ･フェスティバルは「ジャズ･プレゼンテーションの新たなページを開いた」とダウン･ビート･マガジンは賞賛の言葉で形容した。 50年以上におよびニューポートで歴史が繰り返され現在に至っている。

マイルス･デイビスは1955年にキャリアをそこで再開させ、ディユーク･エリントンは翌年演奏した。ビリー･ホリデー、ビル･エバンス、アマド･ジャムアルからアーク･シープまでありとあらゆる ジャズ･ミュージシャンがニューポートのステージに立ち、オーディエンスの多大なる賞賛を受けた。「モダン、スイング、 そしてデキシーランドを一同に会したかった」 ジョージ･ウエインは1954年に雑誌ニューヨーカーに答えている。 「ミュージシャンは一緒に演奏し、共通なビートがあると自分自身のスタイルでソロをとる事ができる。まるで大きな家族のようだ」これがウエインのこのフェスティバルに対する信条であった。 音楽的地勢のシフト、フェスティバルの財源が厳しく枯渇している事、そしてジャズは時代遅れだとの夥しいレポートの逆風の中、 ウエインと彼のフェスティバル･プロダクションは、その信条をこころの拠り所として耐えしのんだ。

非営利的ベンチャーとして始まったこのイベントは、ゲートの外にいた暴徒が1960年のフェスティバルを中止させて以降、ウエインの単独のクレジットとなった。平和な1960年代はウェインのプロダクションに栄光をもたらした。それはニューポート･フォーク･フェスティバルであり、1971年に再度略奪が起こるまでの事であった。 この事件によりウェインはイベントをニューヨーク市に移さざる得なかった。しかしながらこれが多目的フェスティバルの先駆けとなり冠協賛もクールから、JVCになりニューポート･ジャズ･フェスティバルは1970年代はニューヨークで開催されるようになった。1981年になり、フェスティバルはその足がかりを失う事なく起源の場所に戻ってきた。こんにちのフェスティバル･プロダクションはJVCジャズ･フェスティバルをニューポートとニューヨークに冠協賛している。
(オフィシャルのサイトから引用)